【初心者向け】RPA入門|ゼロから始めるRPA(Automation 360) ~実践編 交通費申請のチェックロボットを作ってみよう その3~

Automation Anywhere RPA
Automation Anywhereチーム

このシリーズでは、Automation Anywhere社の「Automation 360」を使用してRPAの使い方を解説していきます。

Automation 360 による自動化の解説の全4回のうち、今回は第3回になります。まだ第1回、第2回をご覧になっていない場合は、先に第1回、第2回をご確認いただいた上で、第3回をご覧ください。

これまでの実践編では、Automation 360を使って「Excelに記載された交通費申請の1行目の出発地、到着地で乗換案内を検索する」というウェブ画面の操作をしました。今回は、前回作成したロボットを編集して、交通費申請書の金額と乗換案内で検索した料金を比較し、比較結果を交通費申請書へ記入する処理を実装します。

次回以降は下記をご紹介します。
・繰り返し処理を実装し、ロボットを完成させる

交通費申請の金額と乗換案内で検索した料金を比較しよう

    1. 前回作ったロボットの編集画面に移動する
      まだ作成されていない方は前回の実践編に手順が載っておりますのでご参照ください。

 

    1. 乗換案内で検索した料金と比較するために申請された金額のセルの値を読み取る
      前回の実践編の出発駅、到着駅と同じように交通費申請書の1行目の金額を指定します。

        1. 2-1. [アクション]の検索ボックスに「高度な操作 セル」と入力します。

        1. 2-2. [アクション]から[Excelの高度な操作:1つのセルを取得]を到着駅を読み取る[Excelの高度な操作:1つのセルを取得]と出発駅を入力する[レコーダー:キャプチャ]の間へドラッグ&ドロップします。

        1. 2-3. アクションのプロパティの[セルの指定]を選択します。

        1. 2-4. [セルアドレス]に「F12」と入力します。

        1. 2-5. アクションのプロパティの[セル値を読み取る]を選択します。

        1. 2-6. アクションのプロパティの[セルのコンテンツの保存先]でドロップダウンから「Excelの金額」を選択します。

 

    1. 検索結果の画面で料金を取得する操作を記録するため、一度実行して検索結果の画面を開く
        3-1. 実行する前に交通費申請書、乗換案内のウェブ画面を全て閉じます。

       

        1. 3-2. [実行]をクリックすると交通費申請書の1行目の出発駅-到着駅間の料金を検索します。

        1. 名古屋→名古屋城の乗換案内のウェブ画面が表示されます。

        このウェブ画面での操作を記録します。

 

    1. 検索結果の画面から料金を読み取る
        1. 4-1. 一番下にある[レコーダー:キャプチャ]を選択した状態で[記録を開始]アイコンをクリックします。

        1. 4-2. デスクトップの右下に新しく「Universal recorder」ウィンドウが表示されます。

        1. 4-3. 乗換案内サイトが前面に表示された状態で、Universal recorderの[Record]をクリックします。

        1. 4-4. マウスカーソルを乗換案内サイトのおすすめルートの1件目の料金の上へ移動します。

      まだクリックはしません。移動させるだけです。移動すると料金の周りに赤枠が表示されます。これはAutomation 360が画面項目を操作対象として認識した合図です。

       

        4-5. 料金の周りが赤枠の状態でマウスをクリックします。

       

        1. 4-6. Universal recorderの[Captured actions]が「(1)」になったことを確認し、Universal recorderの[Finish]をクリックします。

        1. 正しく記録できた場合、下図のように1つのアクションが追加されます。

        1. 4-7. [> オブジェクトのプロパティ]をクリックして全てのオブジェクトのプロパティを表示します。

        1. 料金が入っているのはHTML InnerTextプロパティだと分かります。

        1. 4-8. [オブジェクトに実行するアクション]で「プロパティを取得」を選択します。

        1. 4-9. [プロパティ名]でドロップダウンから「HTML InnerText」を選択します。

        1. 4-10. アクションのプロパティの[結果を変数に保存]でドロップダウンから「乗換案内の料金」を選択します。

 

    1. ウィンドウ変数の名前を変更する
      4.の操作でウィンドウ変数が2つになりました。変数名はAutomation 360が自動生成した名前なので、変数名からどのような情報をもっているウィンドウ変数であるかがわかりません。これらのウィンドウ変数は次回の実践編で使うので、それぞれ名前を変更しましょう。

        1. 5-1. [変数]タブを表示し、検索画面のウィンドウ変数の三点リーダーをクリックし[変数を編集]を選択します。
        1. ※下図では「Window3」ですが、変数の中身を確認して適切な変数を操作してください。

        1. 5-2. [名前]に「検索画面」と入力し「適用」をクリックします。

        1. 5-3. ウィンドウの名前に「名古屋から名古屋城までの乗換案内」が含まれるウィンドウ変数の三点リーダーをクリックし[変数を編集]を選択します。
        1. ※下図では「Window1」ですが、変数の中身を確認して適切な変数を操作してください。

        1. 5-4. [名前]に「検索結果画面」と入力し「適用」をクリックします。


      変数名が次のように変わっていればOKです。

 

    1. 変数「乗換案内の料金」の値から文字列「円」を削除する
      交通費申請から読み取った金額は文字列「円」がついていません。一方で、検索結果の画面から読み取った乗換案内の料金には文字列「円」がついています。文字列「円」がついたままではこれらは常に一致しません。乗換案内の料金から文字列「円」を削除して、交通費申請の金額と乗換案内の料金を正しく比較できるようにします。特定の文字列を別の文字列に置き換えるアクション[文字列:置換]を使います。本来、特定の文字列を別の文字列に置き換える際に使う[文字列:置換]ですが、別の文字列で何も設定しなければ特定の文字列を削除するという動きをします。

        1. 6-1. [アクション]の検索ボックスに「文字列 置換」と入力します。

        1. 6-2. [アクション]から[文字列:置換]を一番下にある[レコーダー:キャプチャ]とフローの[終了]の間へドラッグ&ドロップします。

        1. 6-3. [元の文字列]の[(x)]をクリックします。

        1. 6-4. 「値を挿入」画面の[変数を選択 ▼]でドロップダウンから「乗換案内の料金」を選択します。

        1. 6-5. 「値を挿入」画面の[挿入]をクリックします。

        1. 6-6. [文字列を検索]に「円」と入力します。

        1. 6-7. アクションのプロパティの[出力を変数に代入]でドロップダウンから「乗換案内の料金」を選択します。

        文字列「円」を削除するという動きをさせたいので、置き換える別の文字列を設定する項目[置換する(任意)]は空欄のままにして次に進みましょう。

 

    1. 検索結果の画面から読み取った料金をExcelに入力する
      交通費申請書の1行目の右側に「乗換案内」という項目があります。読み取った料金をこの項目に入力します。

        1. 7-1. [アクション]の検索ボックスに「高度な操作 セル」と入力します。

        1. 7-2. [アクション]から[Excelの高度な操作:セルを設定]を[文字列:置換]とフローの[終了]の間へドラッグ&ドロップします。

        1. 7-3. [セルの指定]を選択します。

        1. 7-4. [セルの指定]に「H12」と入力します。

        1. 7-5. [セルの値]の[(x)]をクリックします。

        1. 7-6. 「値を挿入」画面の[変数を選択 ▼]でドロップダウンから「乗換案内の料金」を選択します。

        1. 7-7. 「値を挿入」画面の[挿入]をクリックします。

 

    1. 交通費申請の金額と乗換案内の料金の比較結果によって処理を分岐させる
      指定した条件を満たす場合と満たさない場合でExcelに入力する値を変えるために処理のフローを分岐させます。条件を指定したりフローを分岐させるには、[If:If]アクションや[If:Else]アクションを使います。[If:If]で指定した条件を満たす場合には[If:If]のブロックの中の処理を、満たさない場合には[If:Else]のブロックの中の処理を実行します。

        1. 8-1. [アクション]の検索ボックスに「if」と入力します。

        1. 8-2. [アクション]から[If:If]を[Excelの高度な操作:セルを設定]とフローの[終了]の間へドラッグ&ドロップします。

        1. 8-3. [条件]のドロップダウンを展開し、ドロップダウンの一番下にある「文字列 > 文字列の条件」を選択します。

        1. 8-4. [元の値(任意)]の[(x)]をクリックします。

        1. 8-5. 「値を挿入」画面の[変数を選択 ▼]でドロップダウンから「乗換案内の料金」を選択します。

        1. 8-6. 「値を挿入」画面の[挿入]をクリックします。

        1. 8-7. [ターゲット値(任意)]の[(x)]をクリックします。

        1. 8-8. 「値を挿入」画面の[変数を選択 ▼]でドロップダウンから「Excelの金額」を選択します。

        1. 8-9. 「値を挿入」画面の[挿入]をクリックします。

        1. 8-10. [アクション]から[If:Else]を[If:If]の右側へドラッグ&ドロップします。

 

    1. 比較した結果をExcelへ反映する
      交通費申請書の1行目の右側に「チェック」という項目があります。ウェブ画面で検索した料金と交通費申請書の金額が一致する場合「OK」を、一致しない場合「NG」をこの項目に入力します。

        1. 9-1. [アクション]の検索ボックスに「高度な操作 セル」と入力します。

        1. 9-2. [アクション]から[Excelの高度な操作:セルを設定]を[If:If]の中へドラッグ&ドロップします。

        1. 9-3. アクションのプロパティの[セルの指定]を選択します。

        1. 9-4. [セルの指定]に「I12」と入力します。

        1. 9-5. [セルの値]に「OK」と入力します。

        1. 9-6. [アクション]から[Excelの高度な操作:セルを設定]を[If:Else]の中へドラッグ&ドロップします。

        1. 9-7. アクションのプロパティの[セルの指定]を選択します。

        1. 9-8. [セルの指定]に「I12」と入力します。

        1. 9-9. [セルの値]に「NG」と入力します。

 

  1. 実行する
      10-1. 実行する前に交通費申請書、乗換案内のウェブ画面が開いていないことを確認します。

     

      1. 10-2. [実行]をクリックすると交通費申請書の1行目の出発駅-到着駅間の料金を検索し、申請金額と検索結果の比較結果を記入します。


    交通費申請書のH12セルに「240」、I12セルに「OK」と記入されていれば成功です。

これでウェブ画面で検索した料金と交通費申請書の金額を比較し、結果を交通費申請書へ反映できるようになりました。次回は、交通費申請書の最初の項目だけではなく、全ての項目について料金の検索・比較をする処理を実装します。ぜひ最終回までお付き合いいただき、ロボットを完成させてください。

弊社サービスのご紹介

<無料ハンズオンセミナー>
RPA導入をご検討中の企業様向けに、Automation 360を使った無料のハンズオンセミナーを開催します。
実際にロボットを作成し、RPA導入の効果を体感していただけます。
内容については、お問い合わせください。

<Automation 360 Managed Service>
RPAの導入や運用に課題を感じていませんか?
システム担当者の負担が増えたり、自動化業務の拡大が進まないといった悩みをお持ちの企業様に、弊社の「Automation 360 Managed Service」をおすすめします。
RPAの運用管理を代行することで、お客様の自動化推進を強力にサポートいたします。

お問い合わせはこちら

記事を書いた人

Automation Anywhereチーム

ラクして効率アップ!RPAの手軽さをチームでお届けします!

関連記事

TOP