ServiceNowイベント参加!Knowledge26:Welcome to Agentic Business
こんにちは、ServiceNow担当のFSです。
2026年5月5日から7日にかけて、米ラスベガスで開催されたKnowledge26に参加しました。
会場では、AIに関する最新の話題が数多く紹介されていましたが、
特に印象に残ったのは、華やかな技術紹介にとどまらず
企業としてAIをどう業務に組み込み、どう使いこなしていくかという実践的な視点が強く語られていたことです。
AIは導入して終わりではなく、その先の見える化や統制まで含めて考えることが、これからますます大切になると感じました。
本記事では基調講演を中心に、印象に残ったポイントをわかりやすくお伝えします。

1. AI活用の新しい焦点
今回の基調講演でまず印象に残ったのは、AIの話が「何ができるか」を見せる段階から、「企業の中でどう使うか」を考える段階に入ってきている、ということでした。
ServiceNowが強調していたのは、
AIの価値はモデルの性能だけで決まるのではなく、企業全体でAIを可視化し、管理し、監査し、業務にきちんと結びつけられてはじめて高まる、という点です。
AIを導入すること自体はもはや出発点にすぎず、そこから先にどの業務にどう組み込み、どこまで任せ、どう統制するのかまで考える必要があります。
実際の業務は、承認、権限、監査、セキュリティ、例外対応といった細かな条件の積み重ねで成り立っています。
そのため、AIが使える場面が増えても、そのままでは業務の流れに乗りにくいこともあります。
そうした現実を踏まえると、AIを増やすことそのものより、業務の中で使える形に整えることが大きな焦点として見えてきました。
2. AIの死角をどう埋めるか
講演の中で繰り返し出てきたのが、AIには“死角”があるという話でした。
これは、AIそのものが悪いという意味ではありません。
むしろ、AIが広がるほど、見えなくなる部分が増えるということです。
たとえば、どのAIがどこで動いているのか、誰がどの権限で使っているのか、どのデータを参照しているのか、想定外の動きをしたときに止められるのか。
こうした点が曖昧なままエージェントが増えると、便利さと同時にリスクも一気に大きくなります。
そこでServiceNowが提示したのが、AI Control Towerという考え方です。
端的に言うと、企業の中にあるAIを見つけ出し、統制しながら、価値も追えるようにする土台です。
AI Control Towerでは、AIエージェントやモデル、ワークフロー、アイデンティティ、資産などをまとめて見渡し、必要に応じて制御できるようにするという考え方が示されていました。
この発想はとても分かりやすく、AIを「導入したら終わり」にせず、どこで動いていて、何をしていて、
どこまで任せてよいかを見えるようにすることこそ、企業でAIを本格的に使ううえで欠かせない考え方だと思います。
また、AIの動作を実行中に確認し、必要があれば止める、切り替える、権限を外すといった制御も含めて設計されている点も印象的でした。
講演中には、想定外の動きによってAIが業務ルールから外れようとするデモもありましたが、そこで重要なのは、何か起きたときにすぐ止めたり、動きを切り替えたりできることでした。
3. データだけでなく「文脈」をつなぐ
今回の講演でもう一つ印象的だったのが、AIにはデータだけでなく“文脈”が必要だ、という話です。
これは、実務に近い感覚で聞くとかなり納得感があります。
データがあるだけでは、AIはまだ“賢い検索窓”に近い状態です。
でも実際の業務では、「この情報がどの業務に関係しているのか」「誰に影響するのか」「どんなルールがあるのか」まで分からないと、判断は難しくなります。
ServiceNowは、Workload Data Fabricを通じて、企業のデータがある場所に接続しながら、AIと業務をつなぐ基盤を示しました。
構造化データ、非構造化データ、内部データ、外部データなど、いろいろな形のデータを扱える前提で設計されているのもポイントです。
その上で出てきたのがContext Engineです。
講演では、知識、アクション、アクセス、資産、意思決定といった複数のグラフをつなぎ、CMDBを土台に企業の文脈をつくる考え方が示されました。
ここで目指しているのは、AIが単に答えることではありません。
なぜそう判断するのか、次に何をすべきかまで分かることです。
この「文脈を持ったAI」があると、業務の中でかなり使いやすくなりそうだと感じました。
4. 「考えるAI」から「動くワークフロー」へ
ServiceNowがもう一つ強く打ち出していたのは、AIの価値は「考える」だけでは完結しない、ということでした。
企業で本当に役立つのは、AIが答えを返すことではなく、実際の業務を前に進めることです。
そこで登場したのがAction Fabricです。
これは、企業のどこにAIが現れても、ServiceNowのワークフローを呼び出して実行につなげるための考え方です。
AIが業務に入ってきたときに、承認、SLA、監査証跡、コンプライアンスといった要素をきちんと引き継げるようにする。
この発想が、かなり実務的で良いなと思いました。
講演全体を通して、「考えるAI」と「行動するワークフロー」の両輪が大事だというメッセージが一貫していました。
AIがどれだけ高性能でも、業務の実行基盤につながっていなければ、使いどころは限られます。
逆に、ワークフローだけがあっても、AIによる判断や支援がなければスピード感が足りません。
ServiceNowは、その両方をつなぐ立ち位置をかなり明確に示していた印象です。
5. 開発・構築の体験も、AI前提に進化する
Knowledge26では、現場で使うAIだけでなく、開発や構築の体験そのものも取り上げられていました。
ここは、個人的にもかなり興味深いパートでした。
ServiceNow StudioやCreator Workflows、Release Opsといった仕組みを通じて、アプリケーションや業務フローをより速く、より自然に作っていく流れが紹介されました。
自然言語を使って形にし、テストして、本番に近い形で展開していくところまで含めて、AI前提の開発体験として語られていたのが印象的でした。
ここで大事なのは、プロトタイプを作ることそのものではなく、ガバナンスの効いた形で本番に乗せられるかどうかです。
AI時代の開発は、コードを見ているだけでは足りず、データ、ルール、権限、ワークフローを一体で考える必要があります。
また、ServiceNowは「人とAIの両方を安全に扱う」ことを強く意識していました。
AIを広く使うほど、セキュリティとガバナンスは後回しにできません。
シャドーAIの検知、権限の過剰付与、脆弱性の把握、資産の可視化など、
AI時代のリスクをどう扱うかまで含めて設計する、といった考え方はこれからAIを本格活用していく企業にとって、かなり参考になるはずです。
あらためて感じたのは、AIを「便利な機能」として見るだけではなく、企業運営の基盤としてどう設計するかが重要だということです。
どのAIを使うか以上に、誰がどの権限で動かし、どのデータを参照し、どこまで自律実行させるのかといった設計がなければ、AIは成果よりも混乱を生みやすくなります。
AIを業務に活かす次の段階は、モデル選定の競争ではなく、企業内のAIやデータを把握し、業務の文脈に結びつけ、安全に実行できる形にすることだと感じました。
その方向性が、講演全体を通してかなり分かりやすく示されていました。
まとめ
Knowledge26に参加して、ServiceNowの最新情報を現場でいち早く知れる、非常に価値のあるイベントだとあらためて感じました。
基調講演だけでなく、多岐にわたるセッションに参加し、さまざまな企業の取り組みについて直接聞かせてもらえたのも大きな収穫でした。
ServiceNowを取り巻く最新の動向を、幅広い視点から知ることができるのが、このイベントの魅力だと思います。
来年もぜひ参加したいと思いますし、ServiceNowに興味のある方には、ぜひ一度足を運んでみてほしいイベントです。






