【ServiceNow】生成AI機能「NowAssist」の紹介

みなさん、こんにちは。ServiceNow担当のアキです。
世の中では「AI」というキーワードが話題になっています。
ServiceNowでもVancouverリリースから「AI」機能が実装されるようになってきました。
ServiceNowが提供する生成AI機能「Now Assist」には、ServiceNowが独自で構築している言語処理の仕組み(LLM)を利用し、ServiceNowに最適化された機能を提供しています。
現在は、ITSM、CSM、HRSD製品などでの提供となっておりますが、今後、他製品への拡大もされていきます。
この記事では、ServiceNowの生成AI機能「Now Assist」について、概要を紹介したいと思います。
Now Assist の特徴
- 日本語対応
日本語に対応しております。しかし、現状の最新バージョンであるYokohamaでは、完全対応とまではいかないようです。今後拡大していくと思われます。
- 高いセキュリティ
AIには学習が必要です。しかし、守秘性の高い重要な情報を取り扱っている企業では、データをAI学習に使われたら困ります。他サービスでは生成AIなどに質問をした際に、その質問自体が学習として使用されてしまう場合があります。
そんな時「Now Assist」を使用すればデータを学習対象から除外するよう設定ができますので、安心して利用できます。
- 簡単なセットアップ
各製品の「Now Assist」機能を利用する場合は、該当のプラグインをインストールして、スキルを有効化するだけで利用開始できます。
細かなチューニングは後からでも実施できます。
機能概要
「Now Assist」が出来ることを整理すると、下記一覧の様になります。
- 従業員向け機能(問い合わせする人)
- 仮想エージェント 自然言語Q&A
仮想エージェントへ質問すると、AIがナレッジやリクエストの内容を検索して、自然言語で回答を返します。
従来の仮想エージェントでは、事前に会話の構築を作り込んでおかないと会話ができませんでしたが、ある程度「Now Assist」にまかせることで自動化ができます。 - 仮想エージェント 会話形式のサービスカタログ注文
仮想エージェントを使い、会話形式でサービスカタログの注文ができます。 - AI Search
ServiceNowのプラットフォーム上で提供されている高度な検索機能です。
従来のキーワード検索に比べて、より直感的で柔軟な検索体験を実現しています。
- 仮想エージェント 自然言語Q&A
- エージェント向け機能
- チャットの要約
チャットで質問のやり取りをした後、ライブエージェントに取り次ぐ機能がワークスペースにあります。
これまでにユーザーとAIの間で、どのような会話をしていたかを要約して、ライブエージェントに伝えます。 - インシデントの要約
チケット内の文章(※)を参照し、インシデント全体のストーリーを一文で要約します。
※作業メモ、追加コメント、説明、簡単な説明 - 解決メモの生成
「どうやって解決したか」にフォーカスを当ててチケット内の文章を参照し、解決メモを自動作成します。 - ナレッジの生成
発生した事象と、どうやって解決したかを文章に取りまとめ、ナレッジとして自動作成します。
- チャットの要約
- 開発者向け(ベンダーや市民開発者)
- コード生成・補完
自然言語を解釈して、JavaScriptのコードを自動生成します。 - フロー生成
FlowDesignerで Flowを自動生成します。 - フローアクションの推奨
作成中のFlowに対して、次のアクションを提案します。 - カタログアイテム生成
自然言語による会話のやり取りをもとにして、カタログアイテムを自動生成します。 - プレイブック生成
自然言語による会話のやり取りをもとにして、プレイブック(※)を自動生成します。
※ワークスペースで利用するマニュアルのようなもの - アプリケーション生成
自然言語による会話のやり取りをもとにして、カスタムアプリを自動生成します。
- コード生成・補完
上記機能を抜粋して、次の段落以降でより詳しくご紹介します。
事例紹介①
Now Assistによる会話形式でのサービスカタログ注文
ここでは、ユーザと AI が会話形式でサービスカタログの注文まで完了できる機能をお見せいたします。
サービスポータルで右下のチャットアイコンを押すと、チャットウィンドウが出てきて、「お役に立てることはありますか」と聞かれます。
今回は、ファイアウォールの設定を変更したいユーザーがいると仮定します。
まずチャットで「ファイアウォールの設定を変更してほしい」と言ってみます。
するとAIが、「こんなサービスカタログが見つかりました」と紹介されますので、「ファイアウォールルールの変更」を選択し、注文を開始します。
AIが、サービスカタログの画面から注文時に必要な項目を一通り確認します。
例)主要な連絡先は誰ですか?
どのコストセンターが請求先ですか?
これらの質問に対し、一つずつ回答していきます。
一通り回答が終わったら、AIから内容確認を求められますので、問題なければ「送信」します。
これでAIとの会話の流れで注文したものが、新しいリクエストとして起票されました。
作成されたリクエストは、カタログから注文した場合と同じように扱えます。
事例紹介②
Now Assistによるインシデント内容のサマリ
ここでは、インシデント内容(問い合わせ者とのやり取り)を AI がサマリして要約してくれる機能をお見せいたします。
Now Assistを有効にすると、インシデントチケットの右上に「要約を作成」ボタンが表示されるようになります。
チケット内の簡単な説明、説明、作業メモ、追加コメントは、次の通り入力されているとします。
この状態で、「要約を作成」ボタンを押下すると、AIが文章を要約します。
要約した内容を作業メモに投稿することで、後続の担当者への引き継ぐ時間を短縮できます。
おわりに
今回は、近年話題の生成AI機能「Now Assist」について、簡単な概要を紹介しました。
今後、IT人材が減っていく中で、AI や 自動処理に対応を任せ、少ないリソースで業務を回していくためにも、AI導入を前向きに検討されている企業様もいるのではないでしょうか。
また、弊社でも研究を始めています。今後利用できる製品が拡大されていくにつれて、さまざまな業務要件にお応えしていける機能になると思います。
今後のバージョンアップが楽しみですね。
ServiceNowについて
ServiceNowについてさらに詳しく知りたい方は、ServiceNowに熟知したSTSメンバーがよりよいシステム構築をご提案しますので、ぜひお問合せください!
お問い合わせはこちら