【ServiceNow】生成AI機能「AI Lens」の紹介
こんにちは。ServiceNow担当のRYです。
業務の中では、領収書や請求書、申請書などのドキュメントを基に、ServiceNowに情報を登録する場面があります。
しかし、内容を手作業で入力する場合、入力ミスや登録漏れのリスクに加え、相応の作業時間も必要になります。
AI Lensは、こうしたドキュメントから必要な情報を抽出し、ServiceNowへのレコード登録を支援する生成AI機能です。
本記事では、AI Lensの概要や基本的な利用方法についてご紹介します。
1. AI Lens概要
AI Lensは、画像やPDF、メール、Webページなどのドキュメントを解析し、必要な情報を抽出できる機能です。
抽出した情報は、ServiceNowのフォーム入力やレコードの更新に利用できます。
また、標準機能による情報抽出だけでなく、抽出結果をスクリプトで加工することで、独自の業務要件にも対応できます。
2. 事前準備
AI Lensを利用するためには、事前にプラグインの導入やクライアントアプリの設定が必要です。
1. 必要なプラグイン
AI Lensは単体で利用するのではなく、Now Assist関連機能とあわせて提供されます。
そのため、事前にいずれかのNow Assist関連プラグインをインストールする必要があります。
今回は、Now Assist for IT Service Management (ITSM) が導入された環境を利用しました。
2. クライアントアプリの準備
AI Lensを利用するためには、クライアントアプリのインストールが必要です。
フィルターナビゲーターから [ServiceNow AI Lens] > [Downloads] を選択し、クライアントアプリをダウンロードします。

ダウンロードしたインストーラーを実行し、アプリケーションをインストールします。
インストール対象として「Install just for you(現在のユーザーのみ)」または「Install for all users of this machine(端末上のすべてのユーザー)」を選択できます。
今回は「Install just for you」を選択しました。
基本的には画面の案内に従って進めるだけでインストールが完了します。
3. AI Lensの有効化
続いて、AI Lens Skillを有効化します。

4. ロールの付与
AI Lensを利用するユーザーには、lens_user ロールを付与する必要があります。
5. 接続設定
最後にクライアントアプリを起動し、接続先のServiceNowインスタンスURLを入力します。

「Proceed」を押下するとログイン画面が表示されるため、ユーザー名とパスワードを入力してログインします。
以上で事前準備は完了です。
3. 基本的な利用方法
1. 領収書のデータ化
経費精算や支払管理の業務では、領収書の内容をシステムへ登録する場面があります。
本記事では検証用の簡易的な領収書を作成しました。
この領収書を利用し、AI Lensによる情報抽出とデータ化の流れを確認してみます。

事前準備でAI Lensを有効化すると、対応するリストやフォームからAI Lensを起動できるようになります。
カスタムで作成した領収書管理テーブルのリスト画面を開き、AI Lensを起動します。

「レンズを使用して作成」を押下すると、AI Lensの画面が新しいウィンドウで表示されます。

AI Lensを起動後、「画面をキャプチャ」を押下し、取り込み対象の範囲を選択します。

続いて、「分析」を押下します。
AIによる解析が完了すると、フォームへ情報を入力した旨のメッセージが表示されます。

元のウィンドウに戻ると、領収書から抽出した内容がフォームへ入力されていることを確認できます。

このとき、AIが入力した内容が想定と異なる場合は、保存前に手動で修正することも可能です。
この例では、発行日が YYYY-MM-DD 形式になっていなかったため、そのまま保存できませんでした。
そのため、発行日を修正したうえでレコードを保存します。
スキャンした画像はフォームに添付されるため、後から見返すことも可能です。

このように、AI Lensを利用することで、領収書に記載された情報を効率的にデータ化することができます。
2. プロンプトの利用
AI Lensでは、画像やドキュメントを解析する際にプロンプトを指定することで、出力内容を調整することも可能です。
前項の結果では、発行日が YYYY-MM-DD 形式にならず、そのままでは保存できませんでした。
また、要約には摘要欄の内容がそのまま出力されており、管理用の情報としては扱いづらい状態でした。
そこで今回は、プロンプトを利用して発行日を YYYY-MM-DD 形式へ変換するとともに、要約を「○○費」の形式で出力するよう指定してみます。

以下の内容が生成されました。

このように、AI Lensでは単純なテキスト抽出だけでなく、プロンプトを利用して抽出結果の整形や要約を行うことができます。
一方で、同じプロンプトを繰り返し利用する場合は、毎回入力する手間が発生します。
次章では、この課題を解決する Lens Action について紹介します。
4. Lens Actionの活用
1. Lens Actionとは
Lens Actionは、AI Lensで利用するプロンプトや出力内容を事前に定義できる機能です。
前章ではプロンプトを都度入力しましたが、Lens Actionを利用することで設定を再利用できるため、定型的な業務を効率化できます。
また、Lens Actionではプロンプト以外にも実行条件や後処理などを設定できるため、用途に応じたAI Lensの動作を定義することが可能です。
2. Lens Actionの作成
前章で紹介したプロンプトは、Lens Actionとして登録することができます。
まず、ServiceNow AI Lens > Lens Actions を開き、新規レコードを作成します。

Lens Actionでは、名称や説明、起動方法などの基本情報を設定します。
起動方法には Desktop と Instance の2種類があり、Desktop を選択すると、事前準備でインストールしたクライアントアプリから起動できます。
一方、Instance を選択すると、前章で紹介したようにServiceNowのリストやフォーム上のボタンから起動できます。
ここでは Desktop を選択して保存します。

保存後は Customize セクションが利用可能になります。
ここでは、対象テーブルや自動入力する項目、プロンプトなど、Lens Actionの動作を設定できます。
また、前処理および後処理のスクリプトを利用した高度なカスタマイズも可能です。
これにより、抽出対象データの動的な生成や抽出結果の加工など、より柔軟な要件に対応できます。
なお、本記事では基本的な利用方法の紹介に留めるため、これらの詳細な説明は割愛します。

内容が確定したら保存し、利用できるユーザー、グループ、またはロールを関連リストから設定します。

最後に「Active」チェックボックスをオンにして、Lens Actionの作成は完了です。
なお、有効化したレコードは読み取り専用となるため、設定を変更する場合は一度無効化する必要があります。
3. Lens Actionの利用
ここでは、作成した Lens Action を利用して領収書を読み取ってみます。
まず、事前準備でインストールした ServiceNow AI Lens クライアントアプリを起動します。
起動すると、利用可能な Lens Action の一覧が表示されます。
先ほど作成した「Receipt Import」を選択し、「レンズで続行」を押下します。

その後、領収書をスキャンすると、事前に設定したプロンプトが適用された状態で解析が実行されます。

解析結果を確認すると、発行日が YYYY-MM-DD 形式に変換され、要約も指定した形式で生成されていることが分かります。

このように、Lens Actionを利用することで、毎回プロンプトを入力することなく、定義済みの処理を繰り返し実行できます。
5. まとめ
本記事では、ServiceNow AI Lensの概要から基本的な利用方法、Lens Actionの活用方法についてご紹介しました。
AI Lensを利用することで、画像やドキュメントから情報を抽出し、フォーム入力やレコード作成を効率化できます。
また、プロンプトを利用することで抽出結果を用途に合わせて加工できるほか、Lens Actionを利用することで設定を再利用し、定型業務をさらに効率化できます。
このように、AI Lensは文字情報の抽出だけでなく、業務要件に合わせた情報の加工にも活用できます。
帳票や申請書、各種業務ドキュメントの取り込み作業を効率化したい場合は、ぜひ活用を検討してみてください。
※本記事はAustralia patch2-hotfix4bw34環境で検証しています。
※AI Lensの利用には生成AI関連ライセンスが必要です。また、利用状況に応じてAI利用量(Assists)が消費されるため、利用前に契約内容や利用状況をご確認ください。
※本記事で使用している会社名、団体名、金額等はすべて検証用に作成したサンプルであり、実在の企業・団体とは関係ありません。





