なぜ今「ゼロトラスト」が重要なのか ~社内ネットワークを“信用しすぎない”時代へ~
近年、企業を狙ったサイバー攻撃は急速に高度化しています。
以前は「社内ネットワークに入っている=安全」という考え方が一般的でした。しかし、テレワークやクラウドサービスの普及により、現在はその前提が崩れつつあります。
そこで注目されているのが「ゼロトラスト(Zero Trust)」というセキュリティの考え方です。
ゼロトラストとは?
ゼロトラストを一言で表すと、「誰も最初から信用しない」という考え方です。
社内・社外を問わず、アクセスするユーザーや端末を毎回確認し、安全性を検証した上で必要最小限のアクセスのみ許可します。
例えば以下のような確認を行います。
- 本人確認(ID・パスワード)
- 多要素認証(MFA)
- 使用端末が安全か
- 不審なアクセスではないか
- 必要以上の権限を持っていないか
なぜ必要なのか?
- テレワークの普及
以前は会社のPCを社内で使うケースが中心でした。
現在は自宅や外出先からクラウドサービスへアクセスする機会が増えています。
つまり、「社内ネットワーク = 安全」「社内ネットワーク=危険」という単純な区別ができなくなっています。 - パスワード漏えいリスクの増加
フィッシングメールや情報漏えいにより、ID・パスワードが盗まれるケースが増えています。
従来は「正しいID・パスワードを入力できれば本人」とみなす場面も多くありました。
しかし現在は、認証情報が漏えいすることを前提に対策を考える必要があります。 - クラウド利用の拡大
Microsoft 365 や Google Workspace、各種SaaSなど、企業データは社外クラウドにも保存されています。
そのため「社内境界を守るだけ」の対策では不十分になっています。
企業で実施されている主な対策

多要素認証(MFA)
パスワードだけでなく、
- スマートフォン認証
- 指紋認証
- ワンタイムコード
などを組み合わせる方法です。
万が一パスワードが漏れても、不正ログインを防ぎやすくなります。
最小権限の原則
「必要な人に、必要な権限だけ」を付与します。
例えば、
- 閲覧だけ許可
- 編集は不可
- 管理者権限は限定
といった制御を行います。
端末管理
会社PCの状態を管理し、
- OS更新
- ウイルス対策
- 暗号化
- 不正ソフト検知
などを継続的に実施します。
私たちが気を付けるべきこと
高度なセキュリティ対策があっても、最終的には「人」の行動が重要です。
日常業務で特に注意したいポイントは以下です。
不審なメールを開かない
- 急な請求
- パスワード変更要求
- 添付ファイル付きメール
には注意しましょう。
パスワードを使い回さない
同じパスワードを複数サービスで使い回すと、一つ漏えいしただけで被害が広がります。
ソフトウェア更新を後回しにしない
更新にはセキュリティ修正が含まれることが多くあります。
まとめ
サイバー攻撃は「特別な企業だけ」が狙われる時代ではありません。
現在では企業規模を問わず、あらゆる組織が攻撃対象となっています。
ゼロトラストは、「社内だから安全」という前提に依存せず、利用者や端末の安全性を都度確認しながらアクセスを制御するセキュリティの考え方です。
テレワークやクラウド利用が広がった現在では、従来の境界型セキュリティだけでは十分とは言えません。
そのため、認証・端末管理・アクセス制御などを組み合わせ、多層的に安全性を確保することが重要になっています。
また、どれだけ高度な仕組みを導入しても、最終的には一人ひとりの行動が重要です。
日頃から基本的なセキュリティ対策を意識することが、会社全体を守ることにつながります。





